幸湖さん、虹の橋のたもとへいく [2024年1月]
今朝、もう日付がかわったので、昨日の朝、幸湖さんは虹の橋のたもとへ旅立ちました。
13歳と9ヶ月でした。
朝、いつものようにいつもの寝床で、4つ折りにした厚い絨毯と2枚重ねの毛布の上に、
幸湖さんは横たわり、上に掛けた毛布から顔を出して、目を開けておりました。
もう1年と4ヶ月の間、体を起こしていることができず、寝たきりでした。
うんちは、そのままそこにしてしまってましたが、
おしっこは、トイレに連れて行かないと、絶対にしませんでした。
一時期オムツをしていましたが、尾がないため、オムツが固定できず、
おしっこがもれてしまうことと、
うんちが尿道の入口についてしまうと、膀胱炎になってしまうため、
オムツはやめて、体全体が乗せられる大きさの防水シートの上に寝かせまることにしました。
「おしっこしたくなったら、しちゃって大丈夫だからね。」
と、幸湖さんには言っていたのですが、
「おしっこしたいよう。」
と、鳴いて、と言ってももう大きな声で「わんっ!」と鳴けなかったので、
掠れた小さな声で、「わふっわふっ」と鳴いて知らせてくれてました。
うんちが出たときも、同じように鳴いて知らせてくれました。
大体2時間おきに、
「わふっわふっ」
と聞こえるので、お水とトイレのある場所まで連れて行きました。
お水とトイレのときは、フセのポーズを私の手で固定して飲ませて、
お尻を少し上げて、お尻をナデナデして、おしっこをさせてました。
今朝、主人が同じように水を飲ませ、トイレをさせたら、急にえづくようになりました。
あまりつらそうだったので、寝床に連れて行き、横にさせて、
呼吸がしやすいだろう体制にして、背中をマッサージしましたが、
いつもは少し経つと、治るのですが、そのときは治る様子がなく、
黒目がだんだん上に上がりかけておりました。
これはまずいと思って、添い寝をして、幸湖さんの心臓をマッサージしたところ、
弱々しく、乱れていた鼓動が、少し強くなって、乱れも小さくなり、
冷たかった前足がだんだん温かくなってきて、黒目も正面に戻りました。
えづきはとれませんでしたが、えづく間隔が長くなったので、
これで大丈夫だとは思いませんでしたが、少しほっとして、その場を離れました。
でも、離れるべきではありませんでした。
少し目を離していた間に、幸湖さんは旅立っていきました。
体も、足も、まだとても温かく・・
覚悟はしていましたが、こんなにあっけなく逝ってしまうとは。
昨日まで、かわったところはなかったのに。
いや、2~3日前から、ご飯をあまり食べなくなってました。
暮れにも2~3日、食べないときはありましたが、
またすぐに食べるようになったので、今回もそうだろうと思っておりました。
でも、今回は違いました。
もう、幸湖さんは、動くことも、鳴くことも、できなくなりました。
主人は、幸湖さんの尿の始末をしておりました。
そして、お尻の穴に、ティッシュを詰め・・
私はというと、幸湖さんの頭を撫で、体をさすり、
「まだ温かいよ、まだ動いてるよ。」
と、言ってました。
パニックになっていたわけではありません。
毛穴が収縮して、毛が少し動いていたのかもしれません。
もう生きていないのはわかっていましたが、それを動いてると・・
心のどこかで、息を吹き返すかもと思っていたかもしれません。
主人は、幸湖さんを可愛がってくれていた主人の母に電話をしてました。
終わると、幸湖さんがずっとお世話になった動物病院にも連絡してました。
幸湖さんの死をお知らせして、お礼の言葉を申し上げたかったと。
ああ、すごいなぁと思いました。
さすがだなぁ、と。
そのときに、病院で『エンジェル・ケア』を、と仰っていただいたそうです。
病院の普段は診察台の上に、幸湖さんを寝かせたベッドを置くと、
先生達が2人出てきてくださり、
「さっちゃん、よく頑張ったね。」
と、言ってくださった途端、涙が滝のように流れました。
タオルを握っていて良かった。
このタオルは今も手元にあって、色々思い出す度に涙が滝なので、
ないと困る存在になってます。
「毛並みも綺麗だね。」
と。
30分くらいかかると言われたので、花を買いに行くことにしました。
薔薇とスイトピーとカーネーションにしました。
幸湖さんの血統書名は、『ベゴニア』なので、
ベゴニアの鉢も、と思いましたが、枯れてしまうと悲しいので止めました。
お店のお姉さんが、綺麗にラッピングしてくださいました。
病院に戻ると、綺麗になって、いい香りのする幸湖さんがいました。
水色のリボンを首に巻いて、白と黄色の小花を顎の下に飾っていただいてました。
白い綺麗な布もかけていただいてました。
「ありがとうございました。」
と、主人は言いました。
私はまた泣いていて、声が出ませんでしたので、頭だけ深くさげました。
「さっちゃん。お父さんとお母さんと一緒で、幸せだったよね。」
と、先生が仰いました。
そうだったら、いいけど。
主人が、後で、
「自分達の未熟さを、幸に押しつけてしまったと、思ってる。
もっと、頑張ればしてやれたことが、もっともっと沢山あったのに。」
と、最後の方は涙声でした。
その通りだと思います。
幸のベッドを受け取って、車に向かうと、動物病院のスタッフさん全員が、
入口の外まで出て来てお見送りしてくださいました。
深々と頭を垂れ、それにこたえて主人と私も同じ位深々と頭を下げました。
そして、車に乗った後も、ずっと見送ってくださいました。
とても嬉しかった。
ありがたかった。
エンジェル・ケアを無料で施していただいた上に、
心のこもったお見送りをしてくださるこの病院は素晴らしいと思いました。
先生、スタッフの皆様、どうもありがとうございました。
今、現在、幸湖さんは眠っているかのように、静かにベッドの上に横たわっております。
変性性脊髄症の症状が出てから、3年と8ヶ月が経ちました。
なぜか、春まで生きてくれるだろうと、思い込んでおりました。
単なる希望でしかなかったのですが。
幸湖さんは、1ヶ月くらい前から、
大好きだったはずのロイヤルカナンをいっさい食べなくなりました。
他の半生の餌に替えましたが、最初の一袋は食べたものの、途中から食べなくなりました。
考えたり悩んだりして、ウェットフードに替えたら、食べるようになったので、
1週間前に、追加のウェットフードとおやつを何袋か買いました。
でも、どれも幸湖さんの口には入らずに、幸湖さんは旅立ってしまいました。
今夜は、お通夜です。